06/11/05 12:24
NTT、IP電話の信頼性

NTT 西の光IP電話のトラブルが最近ありました。この問題は全く個人的な見方ですが、過去の品質評価の方法が通じなくなってきている現れなのかもしれない、と思いました。どういうことかといいますと、従来の品質はアナログ時代に、電線の品質、メンテナンス等のノウハウを積み上げてきた結果とても信頼性の高い通信を確立してきたのですが、まだIP化してから時が浅いのと、そのノウハウができあがっていないことが原因ではないかと素人ながら勝手に思っている次第です。月並みな意見で、しかもなぜこのようなプログであえて話題にしているかといいますと、品質についてもっと気になることが身の回りでおきているせいもあります。たとえば最近増えている自動車のリコールや、大きな話題となったシンドラー社のエレベータ事故等から、人の命にかかわる部分でのコンピュータ制御が使われるウェイトが更に重くなってきているのではないかと感じるのです。メカニカルな品質は、繰り返しの耐久テストや長年の実績からコントロールできるかもしれませんが、ソフトウェアの品質は再現性がないものなどは、メカ系のエンジニアからはお手上げ状態となってしまいます。しかし現場で主導的立場をとったり、そのシステムに承認を与える立場には、キャリアの長いメカ系のエンジニアだったりするため、その対処の仕方が従来型だったりします。メカ系のエンジニアとソフトエンジニアでの品質に対する姿勢というのは、そもそも違います。ハードウェアは壊れないようにすることが前提ですが、ソフトはバグがあるのを前提とします。Windowsの修正版のことを、サービスパックといいますが、最初とても抵抗がありました。なぜバグフィクス版とか、パッチとか言わず、サービスなのか。そこには間違うことが前提にあるからです。またメカ系のエンジニアには、ソフトをファームウェア、つまりハードウェアの一部として考える傾向もあります。そのメカに組み込まれているのならそれでいいのですが、そのメカがネットワークに繋がるとソフト制御が上位にくるため、認識の転換が必要です。
長年日本の電気、水道、ガス等のライフラインの品質はとても高いものを維持してきました。これらはアナログ的なもので、目に見えたり定量化しやすかったりするものが、ソフト制御が多く絡んでくるデジタル系のインフラになってくるとこれらの保守技術とは違ったものが要求されるようになります。世の中ソフトのウェイトが高くなっているにもかかわらず、その品質維持における対策がまだ不十分なのでは、というのか私の感想です。またIPネットワークの世界になると、一社ではその品質をコントロールできないため、インターネットのいろんな要素に左右されます。NTTのフレッツ網は別かもしれませんが、そもそもインターネットには何の保証もないのですから、それを前提にサービスも考えなければならないのかもしれません。使う方もネット、ソフトというものはそういうものだという認識が必要なのかもしません。
たいそうな話題になってしまいましたが、ちょっと考えさせられる出来事でした。