06/11/12 02:39
プレイステーション3

最近のソニーはネガティブなニュースが多い中、待望のPlayStation3が発売されました。PlayStation2が発売されたころ、ゲームの開発に携わっていたこともあり、新しい最先端のハードにとても興味を持っています。今回の発売時の状況は、PS2の頃に比べてだいぶおとなしいなあと感じました。発売日の遅れや、高い価格、少ない出荷台数、また任天堂の業績の好調が、水を差したからでしょうか。しかし狙いどおりの製品がきちんどできあがってきたのではと思います。ゲーム機というよりネットワークに繋がるデジタル家電といった感じです。HDクォリティの映画がダウンロードできるという点が実は一番のウリなのではと思っています。PS2の発売時は「マトリックス」のDVDがキラーコンテンツと皮肉られたくらい、ゲーム機としてよりも当時まだあまり普及していなかったDVDプレイヤーとしても魅力でしたが、今回も映画のダウンロードという点が評価されるのかもしれません。ソニーが買収した映画会社のコンテンツを生かすという意味からも、また家電メーカーということからも、ソニーらしい製品なのではと思います。
莫大な開発コスト(とくにCellプロセッサ)から、ソニー本体の業績にもかなりの影響を与えているようですが、XBOX360、Wii等のゲーム機競争だけにとどまらず、次世代家電、モバイル機器、サービスにも影響してくるため、一瞬たりとも手をぬけない状態が続いているのでしょう。PS2の時とは比べものにならないくらい、競合会社との競争が苛烈になってきているのを感じます。しかし任天堂はライバルながらも、PS3,PSPはWii,DSとのコンセプトの違いから、マイクロソフトやアップル(iPod)よりは競合しないように思えます。明らかにゲーム市場だけに重点をおいていて、ハードの性能よりもアイディアの差で商品の価値が決まってくる点で、他社と違います。面白いのは、アップルがIBMのPowerPCからインテルにCPUを変更したのとは逆に、XBOX360、Wii、PS3がそれぞれIBMのPowerPC,CellにCPUを変更したことです。何でもできるPCにはインテル系、用途を特化したゲーム機にはPowerPC系と、きちんと分かれたことになります。この点だけを見ても最近のプラットホームの移り変わりの激しさを感じます。
また開発環境では、使いやすさの点でDirectXで実績があるマイクロソフトが圧倒的に優位だと思います。どうも日本企業は、ハードウェア、アプリケーションの間に位置するOSやミドルウェア、開発ツールといった分野が弱いように感じるのは私だけでしょうか。私の勝手な意見ですが、ハードウェアがチープな時代(ファミコン時代)は、よくあんなスペックであれだけのクォリティのものを詰め込んだなあ、というものが多く、職人芸的なプログラムで海外ゲームを圧倒しました。ところがハードが進化してくると、そこに便利なツール類が入り込む余地ができ、こういったものが得意な海外ソフトメーカーが、優位になってきたのではという気がします。同じソースから、XBOX,PS2,GameCube用にそれぞれビルドする開発ツールもありますが、これはプラットホーム (ハード)は何でもいいという意味にもなり、これは今のWindowsと同じ現象になります。またWindowsがサーバーから3Dゲーム、モバイル機器までカバーするような、大きくて何もかもできるという発想は、アメリカ的なのでしょうか、このあたりは真似でないところです。やはりハードに特徴的なものがないと、このようにソフト主導で覆いつくされてしまいかねません。Wiiのコントローラ、DSの二画面は正にそこを狙ってます。そういう意味でも PlayStation3にはがんばってもらいたいと思っています。
PS,Wii,Mac,Vista….年末年始、欲しいものがいっぱいです。