06/11/14 21:22
Javaオープンソース化とアドビFlex

待ち望まれたJavaがGPLでオープンソース化されました。配布にライセンスがかからないので、パッケージに同梱するものや、組み込み系では、積極的に利用されるでしょう。また私の勝手な感想ですが、オープンにまでにしなくてもいいから、もっと早く配布条件を緩和してほしかったなあと思いました。過去 Linuxに組み込んで販売したかった機器があったのですが、ライセンスで断念した覚えがあります。LinuxとJavaの組み合わせは、Linuxの GUIをはじめ様々な機能を強化する意味でもとても相性がよかったのですが、本当に残念でした。たとえばRedHatのLinuxにJavaやその周辺ツールがプリインストールされていたらと考えると、その使用目的も変わってきたのではないかと思います。プロプライエタリなJavaを諦め、サーバーサイドでは、PHP、Ruby、クライアントではFlashなどに乗り換えた開発者も多いのではないかと思います。では今回のオープン化でこれらの開発者が帰ってくるのでしょうか。
私自身は、最近アドビのFlex2の存在がとても気になっています。Actionスクリプトが3.0になり本格的なプログラムが組めるようになったことが魅力です。(プログラマ視点のFlash作成ツール。) 従来のものは、デザインベースのツールで、プログラムを記述していたため、他のプログラム言語のようにフローを見渡すことができにくかった点があります。(デザイナ視点のオブジェクトにプログラムを書くスタイル) これがプログラム開発ツールで記述でき、しかも世界中のPCの90%以上インストールされているといわれるFlashプラグインで動作します。Javaのランタイム環境がインストールされているPCが、わずかであることを考えると、アドビの優位性が明らかです。開発ツールのFlexBuilderは有料ですが、無料のコマンドラインツールもあるため、アクションスクリプトをswfにコンパイルして実行することは簡単にできます。さらにApolloというデスクトップの実行環境も備える計画もあり、まさにJavaでやれることと見事に競合してきます。しかしこれは歓迎すべきことでしょう。選択肢がひろがります。
デスクトップの争いはOS,ブラウザを提供する企業の争いも巻き込み、複雑になってきました。一つの企業が独占する構図はつまらないので、こういった活気があるのはいいことなのかもしれません。しかし技術的には、開発環境も言語も似たりよったりでだんだん画一化傾向にあります。技術的には面白くないという思いもありますが、コンテンツ、サーピスを効率よく優れたものをつくることが本質ですので、今後もこの傾向は進むのでしょう。