09/05/01 20:30
中国 : IT製品ソースコード強制開示

中国で販売されるIT製品のソースコードについて、強制的に開示をさせられるとのこと。
最初にこの報道を聞いて、ビジネスルールが違いすぎる、と思いました。
ソースコードの開示にまつわる話は、コンピュータの黎明期から、互換機のBIOS、著作権の問題や、最近ではオープンソースのライセンスなど、いろんな議論がされてきました。そういった過程の中で著作権などの知的所有権を尊重するビジネスのやり方が、全世界的に定着してきたように思います。
中国側の今回の理由としては、簡単に言えば自国のネッワークセキュリティのため、ということですが、確かにブラックボックスのネット機器を、国家機密を扱う組織の中で使うのは不安かもしれませんが、大抵そういう場合は、オープンソースを使って自前で作るものです。
(IPv6機器の開発に日本は進んでいるので、このあたりのネットワーク機器のソースコードを、となると厳しいのでは・・)
ソースコードで一番開示したくないのは、独自アルゴリズムの部分ではないかと思います。これは知的財産の部分です。まず第一にネットワークにつながっていない機器であれば、開示は見送られるべきでしょう。
どうしても開示しなければならない場合は、残念ながら中国でのビジネスはあきらめる選択肢を用意する覚悟はいるように思います。
(WindowsとかのOSのソースコードもそのうち開示命令がでるのでは。)

話は違いますが、つい最近日本が投資していた、サハリンのガス田をロシアが国有化したニュースがありました。やはりルールを作る人間が一番強いということを実感するできごとです。
我々の業界にもこのような帝国主義的なやり方の影響が出だしたことは、ちょっとショックですが、これが現実なのですね。
ビジネスも短期単体で利益を出す考え方から、長期国家的の利益になる考え方をする必要があるのかもしれません。