10/04/02 20:22
iPad vs XPERIA

製品として比べるものでもないのですが、この4月はじめの大きな話題のデバイスという意味で対比してみました。
まずXPERIAですが、今日店頭でさわったところ、性能はすばらしいです。iPhoneよりすごいと思います。
iPhoneがなければすぐにでも欲しいのですが、すでにiPhoneを使い続けているものとしては、iPhoneでもできるので、となってしまいます。つまり買い替えるほど、もしくは追加購入するほどまではいかないのが正直なところです。iPhoneとの違いですが、OSとか筐体の存在がアプリより目立っている感じを受けました。アプリが少なかったのもあるのですが、Timescapeで履歴を見るところなど、エフェクトが目立っていました。iPhoneはOSの役割が控えめで、アプリが中心に据えられている点で、コンピュータの近いのでしよう。スマートフォンというくくりで見れば、同じような製品なのですが、根本的に違う何かがあります。

開発者目線で見れば、XPERIAとしてではなく、Androidとして見るのですが、今のところは開発環境ではiPhoneの方がダントツに開発しやすいです。これはMacで長年培ってきた技術の集大成なので、そうやすやすとGoogleが追いつけるものでないのも仕方ありません。
そこでiPadですが、今回我々もアプリケーションを開発して、なんとか発売と同時にAppStoreに並ぶことができました。iPhoneの開発と何ら変わることなくできるので、とても移行が簡単でした。ビッグiPhoneと揶揄されるのですが、この大きさがあるジャンルには結構魅力なのです。それはDesk Top Musicの分野なのですが、我々もDTMではありませんが、絶対音感を養成するピアノのアプリケーションをリリースしました。人間の手の大きさを考えるとこのiPadのサイズというのは、実用的な楽器アプリケーションができるからです。DTM楽器でもこのサイズのものが結構多くあります。もともと電子ブック狙いのデバイスですが、このDTM目的で買う人も少なくないのではないでしょうか。

せっかく両者が話題の今の時期ですので、開発者目線で、さらに突っ込んだiPhoneOS, AndroidOSの比較をしたいと思います。開発言語に、iPhoneは、C(正確にはObjective-C) Androidは、Javaを使用していますが、この差がかなり大きいと私は思っています。簡単に比較して、Cは高速ですが、ハードウェアに依存度が高く、JavaはCと比較して遅いですが、ハードウェアの依存度が低いという特徴があります。一社で全て提供するAppleには、このメリットがうまく生かされています。Googleもたくさんの会社で共有するOSとして、うまくこの特徴をいかしています。しかしオープンソースの資産を生かすことを考えると、Cの方が(Cベースの環境、つまりUNIXという意味で)圧倒的に有利に働きます。我々のiPhoneアプリケーションでも、サーバ機能などを持つものがありますが(Voice Press)、UNIXのソケットライブラリが使用できてとても便利でした。また過去にソフトウェア音源などを開発したメーカが、iPhoneに移植する際も、かなりの部分のコードが使用できることになります(速度の面でもC)。そういった点で、Cベースでしかも洗練されたMacのインターフェイス、開発環境をもつiPhoneは、他をかなりリードをしていると私自身は思っています。

しかし市場でシェアをのばすのとは、また別問題であることも、過去の歴史から明確ですね。MacがWindowsよりも先んじて販売され、洗練されていたにも関わらず、シェアではあっという間に逆転されました。
という意味でも、このEXPERIAの動向はとても興味深いです。いろんな予想がされていますが、先行きを読むのはかなり難しいと思います。
技術的な興味はかなりあるので、iPadアプリが売れたら、XPERIAを買いたいと思っています。

えっ、何かへん?