10/04/23 00:54
Apple vs Adobe

iPhoneてFlashを動作させる件は、結局Adobeがあきらめる形になりました。
いろんな見方がありますが、FlashがもつポテンシャルがiPhoneに及ぼす未知の影響をAppleが恐れたのではないか、と自分は思います。それだけFlashが強力なのでしょう。Flashの開発ツールは大変使いやすく、マルチプラットホームということが魅力です。すでに大量のゲームがあります。
Appleの側から見れば、iPhoneらしさというものが、Flashのプラットホームの一つとして扱われてしまうことによって、失われてしまう危険性もあるのも理解できます。Adobe側から見れば、最大のスマートフォンのプラットホームになんとしてでものせたいという気持ちは当然でしょう。Appleの閉鎖性を攻撃して、ユーザを見方につけようとするのも理解できます。つまりこの問題はどちらも譲れない領域で、当然の主張をしていると思います。

自分自身としては、各プラットホームにはそれぞれ最適な開発環境で開発すればいい、という考え方です。手間かもしれませんが、ノウハウも身に付きますし、そのハードの性能を一番引き出せるからです。生産性という意味でクロスプラットホームは魅力ですが、技術的探求には欠けると思います。

ただ先を予想すると、Flashについては逆風のように感じます。これは強力すぎるが故の問題かもしれません。GoogleもAndoroidでは、Flashを許容していますが、将来的には、HTML5のような標準技術で、これらを実現したいと考えているのではないでしょうか。これはFlashが他社プラットホームの上に、独自のエコノミーシステムを作る力があるからではないかと思っています。

こうなるとこれまで、選択と集中、水平統合で伸びて来た会社が、垂直統合型の会社に、勝てなくなる図式ができてくるのではないかと思えてきます。
ちょっと前は垂直統合は古い形とされてきたような気がするのですが、本当に変化が激しいですね。垂直統合と言えば、AppleがARMを買収するのではないか、というニュースがありましたが、Oracleといい、プロセッサから、OS、デバイス(ハードウェア)にいたるまで、一社で全てを持つ形が、今後トレンドになっていくのでしょうか。ハードよりもソフトだったのに(IBMからMicrosoftのように)、今度は、ソフトよりもハードを抑えるメーカが強くなるのかもしれません。

Adobeも、そのうちFlash専用デバイスとか、考えないといけなくなるのかもしれません。