10/09/25 01:45
尖閣問題で感じる情報発信力

今日、中国のすさまじい圧力により海上保安庁に公務執行妨害をした漁船の船長が釈放されました。
これはとてもショッキングな事件でした。といってもまだ過去形でないかもしれませんが、最近の日本にこれだけの外圧の経験はなかったのではないでしょうか。
この事件で感じたことは、中国の凄まじい自己主張です。国連でも報道陣がむらがるのは中国の首相で、日本の総理や外務大臣には関心が薄いようです。事実関係よりも主張したもの勝ちみたいなのが、人の目に耳に届かなければ存在しないものと同じという、今のネット環境に通じるところがあると思いました。
歴史的に見ていかに日本の主張が正当性があろうとも、後から主張する情報量が多ければそれを覆してしまうこともできるという怖さです。ネットの世界でも検索エンジンにひっかかるものは価値のある情報とされ、人目によく触れ信頼できる情報とされてしまいます。

もっと日本政府も正当性をアピールするべきだ、とも思いますが、それが苦手なのもわかる気がします。自分の正当性を大声でアピールしたり、人の不当性を攻撃したりすることは、日本人の美徳としないところでもあり、なかなかできなかったりします。職人気質などもそうでしょう。自分の技術をいちいち解説したり、他人のより優れているなどとアピールするのではなく、黙ってオレの仕事を見ろ、みたいな人も多いと思います。

私自身もアピールはとても苦手な方です。iPhoneアプリなども作ることはこだわって作るのですが、それを売るための販促活動をしたり、人にすすめたりするこがなかなかできずにいます。海外からもよくメールで、マーケティグに関するさまざまなお誘いがありますが、今ひとつ信用できなかったりします。中には好意的なレビューを書くからランキングが上がった分の報酬をくれなどというものもありますが、こういったものになかなか気がすすみません。本当に売りたいのだったら、こういったシステムをどんどん利用すべきなのかもしれませんが、どうなのでしょうか。次元が違う話ですが、海外の人に対して、はたして自分はアピールできるのか、という観点では考えさせられます。

海外への発信は、やはり英語でしなければならないですが、最近は残念ながら海外に留学する若者も少ないとよくききます。また情報量としても人口の桁が違う中国と比べると、どうしても条件的に不利です。しかし海外からの情報の受信は、多いようです。日本語に翻訳される本は多いと何かで見たことがあります。言い換えれば海外から影響は多く受けるが影響を与えることは少ないということになるのではないでしょうか。

私もできるだけ英語でアプリの説明や情報発信を試みていますが、まだ十分にはできていません。しかし実際に何を発信するかより、海外の人にアピールするトレーニングのつもりで継続していきたいと思っています。海外からは日本よりも多くの問い合わせやリクエストメールをいただきますが、その度に英語によるコミュニケーションを通していろんな勉強ができます。曖昧な表現はだめで、はっきりとできることできないことを説明することを求められます。

積極的なアピール、コミュニケーションの必要性も感じる一方、やはり日本人ですので、「男はだまって○○」というのも好きです。

若い人たちには、積極的に海外に出て行く勇気と、また日本の伝統の気質みたいなものも両方併せ持つ、そんな考え方をしてもらえたらと思うこのごろです。

随分と脱線しまくりでしたが、日本国内だけのものの考え方ではなく、世界レベルでものごとを考える必要があると、痛感した今日のできごとでした。