11/12/04 11:32
ITと雇用

ずっとこのことを記事にしようと思っていましたが、なかなか書く機会がありませんでした。
われわれのような、ITの仕事をしているものにとって、深く考えさせられる記事です。

シリコンバレーのわれわれは雇用を殺し, 富める者を肥大させているのか?
http://jp.techcrunch.com/archives/20111118silicon-valley-killing-jobs/

多くの場合ITは、業務の効率化に役に立ちますが、効率化によって従来無駄だった業務がなくなるわけですから、その分雇用が減ることになります。
IT化より前にデジタル化が進むときも、このようなことを考えさせられたことを思い出しました。
フィルムカメラの時代から、デジタルカメラに移行すると、今までカメラを作っていなかった家電メーカが参入するようになりました。オーディオプレイヤも、カセットデッキとかの時代からメモリーカードやハードディスクのオーディオプレイヤの時代になると、
PCメーカなど、オーディオ機器とは無縁のメーカが参入するようになりました。デジタル化によって技術がコモディティ化することによって、参入が簡単になり、従来のメーカの収益が圧迫され、メーカも淘汰されてきています。
流通も、昔ながらのレコード店や本屋というのは、デジタル化によってネットで音楽や書籍が流通できるようになると、必要性が低くなってきました。乗り物でも昔はバスで切符を売る車掌さんと、運転手の二人乗っていましたが(年が・・)券売機ができるとワンマンになり、この先は、自動運転などで運転手もいらなくなるかもしれません。
このような世の中が便利になってくると、どんどん職業が減る傾向にあります。今まで製造者から消費者までものが流通する段階で、いろんな仲介業者をとおしてきたものが、それがなくなり、そこで働く人もいらなくなります。
とくに音楽や書籍では、作り手であるミュージシャン、作家が、直接ユーザに販売できるしくみが、かなり普及してきました。

この先、これがどんどん進むと、いったいどんな世の中になるのでしょうか。

これを最近すごく考えさせられます。これは社会全体のテーマだと思います。
本当に人の、社会の役に立つものを作る、そういったサービスをすることしか、お金にならないのでは、と感じることがあります。
そうだとすると、このようなことができない人は、社会からあぶれてしまうのではという不安もあります。
働くこととは、どういうことか、生きていくこととは・・といった人生の本質的なことを問われているような気がしてなりません。

さて我々の仕事はどうなのでしょうか。「我々の仕事をなくすことが我々の仕事だ」というショッキングなことを言う人もいます。つまり我々の作ったシステムがメンテも不要で完璧ならば、我々の仕事はなくなる、ということだと思います。我々の仕事をなくすことが、いい仕事ということです。
すでにその傾向はあります。クラウドという技術が普及すれば、多くの煩わしいメンテナンスの仕事から解放されます。また便利ツールの類のアプリケーションやネットサービスなど、どんどん無料で作られ、またOSなどのシステムに組み込まれるなどして、なかなか商売になりません。また淘汰されてきています。

このような急激な変化が現在も進行中なのですが、どのようなプランをもって生きていったらいいのか、真剣に考えるときがきていると思う、今日この頃です。