13/08/01 22:54
NECスマホ撤退とDocomoの迷走

日本の携帯電話事業を引っ張ってきた両社が、大きな転換期を迎えています。
NECはパソコン黎明期からIT(当時はこの言葉はありませんでしたが)業界の中心的な存在でした。PC-98シリーズが圧倒的なシェアを持ち多くのアプリケーションが開発されました。もちろんこれは日本国内だけの話です。当時SHARP、FUJITSUなども独自アーキテクチャーのパソコンを販売し、SHARP X68000などはPC-98にない機能をたくさん備え、多くのゲーマー、デザイナーに支持されてきました。よく比べてみと当時のパソコン市場は、今のガラケーと呼ばれる携帯電話市場に似ている部分があります。各社独自仕様で国内市場のみ考えた製品でした。それが世界標準IBM互換機DOS/Vの登場で、すべてWindowsというOSに淘汰されることなりました。

日本は世界標準や規格をつくることは、苦手といわれていますが、CPUもOSも作れない状況ではもともと無理があるといえます。ゲームソフト開発でも言えますが、性能が低かったファミコン時代は、そのマシンに特化した日本人が得意な職人的開発をすればよかったのですが、高性能となってくると、どのゲーム機でも使えるミドルウェアを使いこなす海外勢におされることになりました。このミドルウェアのようなプラットホームを作るのが苦手(というよりアメリカ人が得意すぎる)とするところに、NEC、Docomoの現状があるような気がします。

DocomoはiPhoneによる利用者の他者への流出が一番の迷走の原因と思われますが、最近の期待していたTizenOSが開発中止になるという噂があるなど、ちょっとついていない感があります。(ツートップ戦略もちょっと??。ツートップ以外は当然不満がでるでしょ。通信事業者の土管屋化は避けられないところもあるので、iPhoneだのみの他の事業者の戦略が優れていた、というふうにも思いませんが。。)
こういった状況を見ていると、どうしても「他人のふんどしで相撲をとる戦略」では未来を感じません。アプリケーションプラットホームを自前でコントロールできる環境をはやく構築する必要があるのではないでしょうか。個人的にはソニー、任天堂という世界のゲーム機器のシェアをにぎったメーカなら、まだできることは多いと思っています。

技術力で先行しながら、市場で負けるケースは、IT業界にかぎらず日本の特徴としてよく指摘されますが、時代の流れでどうしようもないことはあると思います。ハード作ってきた会社でいきなりプラットホームビジネス、ネットサービスをつくろうとしてもなかなか難しいでしょう。つまり社内の人材がカギを握っています。変化が激しい時代には、やはり開発体制も柔軟になる必要があると思います。企業買収による開発要員確保(業務提携とかよくみかけますが、こういった老舗大企業のネット起業買収みたいなのはあまりみかけないような・・目利きも必要)、人材の流動性の向上、これがこれからの時代勝ち残る重要な要素だと思います。