13/09/28 21:37
ITの専門分野

「何が専門ですか?」
「何が一番得意ですか?」
と最近質問されたことがあります。これは大変答えにくい質問です。

このITの仕事を四半世紀以上やってきていますので、その時その時のニーズがあった技術を習得し、様々な開発をいろいろな立場でさせていただきました。
インターネットが一般家庭に普及しだしたころ、開発業務が一気に多様化しだしたので、当時管理職となっていましたが、もう一度現場で開発業務をする必然性を感じ、サーバアプリケーションの開発をするプロジェクトに入りました。それからしばらくしてフリーランスになりましたので、ほぼ20年以上にわたって現場で開発作業をやっていることになります。(組み込み機器からPCクライアント・サーバアプリ、インフラ構築など)
「何でもできます」
という答えは、あまりいい印象を与えないことの方が多いのですが、実際ご縁があった仕事はほとんどカバーさせていただいております。
と、自慢や自己アピールしたいわけではなく、この「専門」とか「得意」というものについて考えてみたいと思います。

ご存知のとおりIT業界、次から次へに新しいテクノロジーが出現するので、絶えず学習が必要となっています。業務を通じて新しいことを学習できるときはラッキーですが、そうでない業務の場合、長期間その業務が続くとあせりを感じるものです。その場合業務以外で勉強することになります。そうすると例えば5,6年でだいたい2,3の「専門」「得意」という分野ができるのではないでしょうか。
さらに経験を積むとこれが5,6、10以上になってきますが、そうすると逆にあれもこれもできる、といってしまいがちで、どれが「専門」で「得意」なのかわかりにくくなる可能性があります。(私の偏見ですがITで10年以上やらないと習得できないようなという業務はかなり稀な部類に入ると思います。セキュリティ分野などありますが、こういった仕事はなかなかありません。)

つまり冒頭の質問に対しては、5,6年までの経験者にはいいかもしれませんが、それ以上になるとなかなか答えが難しくなるのでは、と思っています。
しかしこれは質問者の背景が全くない場合のケースです。たとえば誰に質問されたか、その人どういった業務をされているか等背景があれば答えの範囲を絞ることができます。

このようなことを書きながら、もし今自分が学生だったら何から学んだだろう、とふと思いました。分野が多すぎてきっと何からやっていいのかかなり迷うのではないかという気がします。しかし「一芸に秀でるものは多芸に通ず」といわれるように、どれか一つ極めることができれば、他にも通用するのではないかと思います。
この「どれか一つ」を選択するのも難しいですが、あまり考えず好きなものを選ぶのも手かもしれません。結局これが一番モチベーションあがります。

私も今やりたいことがたくさんありますが、業務外の少ない時間でやれることって、やはり好きなことになってしまいがちです。