14/06/08 12:15
Japanese IT Style

随分タイトルに悩みましたが、いいたいことは日本の特徴的なIT(これ自体あまり適当な言葉ではないけど・・)の歴史を(特定のジャンルに限り)ちょっと振り返ってみよう、ということです。

「いかにネットの常識を無視するか」 川上量生氏がニコ動をつくったときの”3つの発想”がすごすぎる
http://logmi.jp/13503

>ベンチャーの世界に蔓延る、アメリカの二番煎じ思考
>IT業界の”負け犬根性”が許せなかった

この下りが痛快です。そして、

「セガさんとかゲーム会社との打ち合わせに行くと、外人が来ているわけですよ、アメリカから。・・・そのときに外人の方が日本人の通訳の方を連れて来られて、日本のゲーム会社に打ち合わせに来ているという、そういう現場を最初に見せられたんですね。」

これには私も感じるところがあります。E3というロサンゼルスで開かれるゲームショウに毎年参加していた時期がありましたが、ソニー、セガ、任天堂というメーカがコンベンションセンターの中央を陣取り、先行発売される日本語のソフト(当然ながら日本のメーカなので)を日本語を勉強しながらプレイする外国人の姿を多くみました。ハードメーカは日本がほぼ独占していました。(あとSNKも、バンダイも) 私がいた会社のアメリカ人社員もゲーム中の日本語メッセージを質問しながらプレイしていました。
それが一転して、インターネットのサービスを開発するようになると、今度はシリコンバレーにこちらから出向いて協業や売り込みをしなければならなくなりました。インターネットを境に立場が逆転しました。

歴史を振り返ってみると、日本に独自仕様のパソコンが各メーカからだされていた時代がありました。富士通FM7,FM-Towns、シャープMZ-80,X68000、NEC PC-6001,8001,8801,98シリーズ。これは結局MS/IBM-PCに淘汰されることに。そして世界トップクラスの性能を持つ小型高性能携帯端末も日本独自仕様で各メーカから発売されていましたが、iPhone,Androidに淘汰されることに。

これらどこか似ていますね。よく技術力はありながら市場シェアが伸びなかった事例として批判されますが、これは特徴なのだと思います。標準化や合理化、洗練された開発環境の構築などをスピーディに(ココとても重要)実現することは本当にアメリカが企業得意だと実感します。ゲーム開発でみるとわかりやすいのですが、アセンブラなどを駆使して、各ゲームごとにライブラリを作っていたころは、日本が圧倒的にリードしていましたが、ハードの性能が上がって、マルチプラットホームのミドルウェアとかを利用しだすと圧倒的にアメリカ企業が優位になりました。これは戦時中にさかのぼってみても、日本のカスタム化された高性能ゼロ戦と標準化大量生産されたアメリカの戦闘機という対比にも似ています。
これらを考えると、DNAなのだから仕方ないと思えてしまいます。
それならば、得意な手法で思い存分やった方が勝てる確率が高いのかもしれません。

ちみなに川上氏には、仕事で十数年前にお会いしたことがありましたが、第一印象は「この人本当に社長?」でした。このような人がいると、この業界明るく感じられます。